謎の造語「ターボ癌」がツイッターで拡散 コロナワクチン”後遺症”と流布 根拠ない情報に注意

オミクロン株対応ワクチンの接種
オミクロン株対応ワクチンの接種

新型コロナワクチン接種後の後遺症でがんの進行が加速するという科学的根拠のない〝症状〟を指した「ターボ癌(がん)」という造語が交流サイト(SNS)のツイッターで拡散され、物議を醸している。ワクチンの副作用で娘がターボ癌にかかったとしてツイッターで寄付を募る投稿が批判を集めてアカウントを削除する騒動があり、8日には、「ターボ癌」がトレンド入りした。

過去には「自衛隊員400人死亡」のデマも

新型コロナワクチンをめぐっては、10月に「400人の自衛隊員が接種後に死亡した」という誤情報が拡散されたこともあった。

厚生労働省は、コロナワクチンの情報について、「科学的根拠や信頼できる情報源に基づいていない不正確なものがあり、注意が必要」と呼びかけており、ホームページで「新型コロナワクチンQ&A」として、「ワクチン接種で不妊になるというのは本当か」「ワクチン接種で心筋炎や心膜炎になる人がいるというのは本当か」といった質問に答えている。

ツイッター社は投稿規制廃止

東京感染症対策センター後遺症タスクフォース座長で東北大学大学院の小坂健教授は、ターボ癌について、「そういった研究は報告されておらず、事実ではないと思われる」としたうえで、「100%ないというのは研究されていなければ難しい」とし、コロナワクチンに関する検証や研究がまだ十分ではない中で、「真実なのか、デマなのかというのは、すぐ判別できないこともある」と話す。そして、SNSなどでは、自分と違う意見に触れる機会が減る傾向があることから、「いろんな専門家の話を聞き、科学的根拠に基づく情報を探すことが大切」と訴える。

米ツイッター社は、2020年から新型コロナに関する誤情報の拡散を防ぐための取り組みを強化し、削除要請に従わない場合はアカウントを凍結するなどの対策を行ってきたが、10月31日に投稿規制に消極的なイーロン・マスク氏がCEO(最高経営責任者)に就任。同社は、英語版の新型コロナに関する情報のページで、11月23日から誤解を招く投稿規制を取りやめたと説明しており、懸念の声も上がっている。

「透明性確保を」

WHO(世界保健機関)が「コロナは、『エピデミック(病気の流行)』と『インフォデミック(デマを含む大量の情報が氾濫して社会に影響を及ぼす現象)』との闘い」と発信しているように、パンデミック(世界的大流行)で医学的に根拠のない情報が流布するのは歴史的に繰り返されてきた課題で、小坂氏はその根底にあるのが「不安」だと指摘。「ワクチンの副反応についても、透明性を高めて信用を得ていくことが重要」としている。

日本では予防接種法に基づき、ワクチン接種後に副反応が疑われた場合、医師による報告が義務付けられている。米国では、ワクチンを打った本人が報告し、解析するシステム「VAERS(Vaccine Adverse Event Reporting System)」などがあり、一般の人でもウェブサイトから閲覧することができる。このように、透明性の確保や多様なデータを収集し、解析していくことも重要だとしている。(本江希望)

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