再婚後は「現夫の子」 改正民法成立へ 明治以来の「嫡出推定」見直し

生まれた子の法律上の父親を定める「嫡出推定」の規定を見直した改正民法が参院法務委員会で全会一致で可決され、10日の参院本会議で成立する見通しとなった。離婚後300日以内に生まれた場合は「前夫の子」としてきた規定に例外を設け、300日以内であっても再婚後の夫の子とするほか、法的な父子関係を否定する「嫡出否認」を訴える権利も、父だけでなく母子にも広げる。

嫡出推定の規定が見直されるのは明治29年(1896年)に現民法が成立して以来、初めて。

規定を巡っては、再婚後に出産した母親が、現夫ではなく前夫の子とされるのを避けるため、子の出生届を出さずに「無戸籍」となる事例が続出。戸籍がないことから就学や結婚、就職に支障が出るなどの問題が生じていた。

母子側は前夫との父子関係を否定した上で、現夫を父親とする出生届が出せるようになり、無戸籍問題の解消が一定程度、進むことが期待される。救済措置として、改正民法の施行後1年間は、施行前に生まれた子やその母にも嫡出否認を認める。

改正民法ではこのほか、嫡出推定で父親とされるのが前夫と現夫に重複する事態を避けるため、女性に離婚後100日以内の再婚を禁じた再婚禁止期間を撤廃。「児童虐待を正当化する口実となっている」との批判が出ていた、子への「懲戒権」を定めた規定も廃止する。

また、父親が子を認知する制度について、これまで広く利害関係者に認めてきた「認知無効」を訴える権利を父母と子供に限定し、訴えの期間も7年に制限。これにより、相続などで不安定な地位に置かれていた、結婚していない男女の間に生まれた「非嫡出子」の待遇改善を図る。

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