逆風にさらされるポルトガルのエース ロナルドにワールドカップ中の巻き返しはあるか

ポルトガルのロナルド=ドーハ(共同)
ポルトガルのロナルド=ドーハ(共同)

【ドーハ=奥山次郎】ポルトガルのロナルドが逆風にさらされている。サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会では1次リーグ初戦で挙げたPKによる1得点にとどまり、決勝トーナメント1回戦では先発から外れた。37歳のストライカーは全盛期の輝きこそ放てていないものの、大舞台での勝負強さは折り紙付き。チームが必要とするときはきっとくる。

6日に行われた決勝トーナメント1回戦のスイス戦の先発に、ロナルドの名前はなかった。W杯で先発しなかったのは、初出場だった2006年ドイツ大会1次リーグ第3戦のメキシコ戦以来2度目。代役を務めた21歳のラモスは、ハットトリックの活躍で6-1の勝利に貢献した。

年間世界最優秀選手賞「バロンドール」を5度獲得したスーパースターでも、諸行無常の理には逆らえない。W杯開幕直後にはイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドで起用方法などをめぐって首脳陣ともめたのが原因となり、退団を発表。ポルトガル代表として臨む5度目のW杯でも、絶対的な地位を失いつつある。

チームメートとの祝福の輪に加わらなかったスイス戦後の光景が、複雑な胸中を如実に表している。それでも仲間の信頼は揺らいでおらず、国際的なスポーツ専門局「ユーロスポーツ」によると、盟友のペペは「彼は幸せで集中している」とコメント。ラモスは「彼はリーダーであり、私たちはともにプレーするのを常に楽しみにしている」と述べた。

誰もが年齢的な衰えは避けられず、決して恥ずべきことではない。百戦錬磨の英雄が持つ母国をW杯ドイツ大会4強、16年欧州選手権優勝へ導いた経験と実績は、チームにとってかけがえのない〝戦力〟。20年近くにわたって世界のトップレベルに君臨しながら見せつけてきた大舞台での勝負強さは周知のところだ。

サントス監督は「キャプテンとの間には何の問題もない。私たちは何年もの間の友人だ。試合前に話した際、(先発から外す)決断について問題にならなかった」と噂される両者の溝を否定した。多くの幸せをもたらしてきた国民の支持も失いつつあるが、世界を魅了してきたロナルドだからこそ、大会中に巻き返すだけの力を残しているはずだ。(奥山次郎)

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