「ゆがんだ正義感」コリア国際学園に侵入、辻元氏事務所も標的 男に有罪判決

大阪地裁=大阪市北区
大阪地裁=大阪市北区

大阪府茨木市の「コリア国際学園」の床を焼損させたほか、立憲民主党の辻元清美参院議員の事務所にも侵入したとして、建造物損壊などの罪に問われた無職、太刀川誠被告(30)に対する判決公判が8日、大阪地裁で開かれた。梶川匡志裁判官は「特定の思想や国籍に対するゆがんだ正義感に基づく犯行」として懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年)を言い渡した。

公判で被告は起訴内容を認め、在日コリアンが憎かったと供述。学園側は「憎悪犯罪(ヘイトクライム)だ」として厳罰を求めていた。

判決理由で梶川裁判官は、SNS(交流サイト)の投稿を見るうちに「特定の政党や国が日本に害悪をもたらすと思いこんだ」と指摘。「異なる意見を有する(人がいる)のは民主主義国家では当然で、暴力は許されない」と指弾した。一方で、反省の言葉を述べ、一部は示談が成立していることを理由に実刑は見送った。

判決によると、4月5日未明、同学園に侵入し校舎1階にあった段ボールに火を付け床を焼損させた。3月1日には辻元氏の大阪府高槻市の事務所に侵入して室内を物色。5月4日には創価学会淀川文化会館(大阪市淀川区)にも侵入し窓ガラスを破損した。

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