<独自>陸自に「認知戦」対処専門部隊新設 安保3文書に明記

陸上自衛隊「富士総合火力演習」で、走行しながら射撃を行う10式戦車=静岡県御殿場市の東富士演習場(春名中撮影)
陸上自衛隊「富士総合火力演習」で、走行しながら射撃を行う10式戦車=静岡県御殿場市の東富士演習場(春名中撮影)

政府は、偽情報の拡散などで世論の動揺を狙う「認知戦」などに対処するため、陸上自衛隊に専門の情報部隊を新設する方向で調整に入った。ロシアによるウクライナ侵攻や台湾統一を目指す中国の工作に伴い、認知戦の脅威が再認識されているためで、今月中旬にも改定する国家安全保障戦略など「安保3文書」に明記する。複数の関係者が8日、明らかにした。

認知戦は陸海空や宇宙、サイバー領域に次ぐ「第6の戦場」ともいわれる。フェイクニュースや交流サイト(SNS)の偽情報などを駆使して国際世論や対象国の国民を混乱させ、自国に有利な状況をつくることを目的とする。

陸自に新編する専門部隊は、仕掛けられた認知戦に対処するため情報収集や分析、正しい情報の発信などを担う。令和9年度までに編成する予定で、人員や部隊の名称などは今後決める。

露政府は「ウクライナ軍が化学兵器の使用を準備している」と侵攻当初から訴えるなど認知戦を展開し、自国の軍事行動の正当性を主張している。岸田文雄首相は「ウクライナ情勢を見ても認知戦、情報戦への対応が重要だ」と危機感を示している。

中国も台湾に対する認知戦に力を入れている。防衛省の防衛研究所が11月に発表した「中国安全保障レポート2023」は、中国共産党や人民解放軍がサイバー空間や人脈を通じたフェイクニュース拡散など「影響力工作」を幅広く行っていると指摘。「台湾にとって大きな脅威となっている」と警鐘を鳴らした。

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