抗体薬、効果期待できず オミクロン株BQ・1

新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)
新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

新型コロナウイルスで感染が確認される割合が増えると指摘されているオミクロン株派生型「BQ・1」に対し、国内外で使われてきた4種類の抗体薬は効果が期待できないとの実験結果を、東京大医科学研究所の河岡義裕特任教授(ウイルス学)らのチームが7日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した。

点滴の抗ウイルス薬「レムデシビル」と飲み薬の「モルヌピラビル」「パキロビッド」は、ウイルスの増殖を抑える効果があった。

これまで流行してきたオミクロン株「BA・2」「BA・5」には高い効果があった抗体薬も、BQ・1への効果は低かった。新たに加わった変異が影響しているとみられる。アジアで増加した別のオミクロン株派生型「XBB」に対してもBQ・1と同様の結果となった。

培養細胞を使った実験のため、実際の人の治療効果とは異なる可能性がある。

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