辺野古移設、沖縄県の敗訴確定 最高裁、国交相裁決巡り

米軍普天間飛行場の移設先として、埋め立て工事が進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部=8月(共同通信社機から)
米軍普天間飛行場の移設先として、埋め立て工事が進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部=8月(共同通信社機から)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、県の埋め立て承認撤回を国土交通相が取り消す裁決をしたのは違法として、県が裁決の取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は8日、県の上告を棄却した。訴訟を起こす資格(原告適格)がないとして訴えを退けた1、2審判決が確定した。

県は平成30年8月、埋め立て予定海域に軟弱地盤が見つかったことなどを根拠に承認を撤回。防衛省沖縄防衛局が行政不服審査法に基づき国交相に審査請求し、国交相は31年4月、撤回を取り消す裁決をした。

県はこれを不服として提訴。1審那覇地裁判決は裁決の是非には踏み込まず、県の原告としての資格を否定し訴えを退け、2審福岡高裁那覇支部も1審の結論を支持した。

同小法廷は、埋め立て承認は本来国が行う事務を都道府県が代わりに行う「法定受託事務」で、こうした事務の違法性を都道府県が国と裁判で争うことは「法律で認められていないと解すべきだ」とした。

判決を受けて、沖縄県の玉城デニー知事は「非常に残念で、到底納得できるものではない」などとコメント。国交省は「国の主張を認めていただいたものと考えている」とした。

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