【キーウ(キエフ)=大内清、ワシントン=坂本一之】ロシア内陸部の空軍基地などがウクライナ軍のものとみられるドローン(無人機)で相次いで攻撃を受けた。ウクライナは公式には攻撃を認めていないが、航続距離が1千キロに及ぶドローンを独自開発した可能性が浮上している。防空網を突破されたロシアの衝撃は大きく、露軍が航空戦力の配置を後退させたり、分散させたりする対応を迫られるとも指摘されている。
攻撃は5日、露西部リャザニ州のジャギレボ空軍基地と南西部サラトフ州のエンゲリス空軍基地に対してあった。6日にも西部クルスク州の空港などが攻撃を受けた。ウクライナの複数のメディアは当局筋の話として、ドローン攻撃が「成功し、大きな効果をあげた」と報じた。使用された機種などは不明だ。
国境から約600キロのエンゲリス空軍基地には、核兵器を搭載可能な戦略航空機の部隊が駐留する。露軍は10月以降、ウクライナ各地のエネルギー関連インフラをミサイルで攻撃しており、基地はその拠点になっているともみられる。