独極右が政府転覆計画容疑 25人拘束、議事堂襲撃狙う

警察官に連行される「ハインリヒ13世」と名乗る男(右)=7日、ドイツ・フランクフルト(Boris Roessler/DPA提供、AP=共同)
警察官に連行される「ハインリヒ13世」と名乗る男(右)=7日、ドイツ・フランクフルト(Boris Roessler/DPA提供、AP=共同)

ドイツ検察は7日、テロ組織に参加した疑いなどで、極右勢力のメンバーら25人を拘束したと発表した。独自の国家樹立を目標に、政府転覆を狙って連邦議会議事堂の襲撃を企てた疑いがあるとしている。地元メディアによると、首謀者の1人は「ハインリヒ13世」と名乗る貴族の家系出身の男(71)とされる。

検察の発表によると、拘束されたのはテロ組織のメンバーのドイツ人22人と、支援者のロシア人1人を含む3人。男らは遅くとも昨年11月までにテロ組織を形成し、メンバー募集や射撃訓練などを実施していた。 検察は、テロ組織が米国の過激な陰謀論勢力「Qアノン」の影響を受け、ドイツ政府が「ディープステート(闇の政府)」に支配されているという陰謀論を信じていると指摘。組織内に司法や外務、保健など政府機関に模した部門をつくっていたという。議会議事堂を襲撃し、政府を転覆させ政権を奪うことなどを計画。1871年に成立したドイツ帝国を模倣した国家をつくり、ハインリヒ13世と名乗る男が新しい指導者となる計画だった。テロ組織は「ライヒスビュルガー」(帝国市民)と呼ばれる極右運動の一部とみられる。(共同)

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