永田町で吹く「解散風」は、強まったり弱まったり、ときに止んだりもする。最近では、11月11日に葉梨康弘前法相が辞任した後、そよ風のように解散風が吹いた。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題で逆風にさらされ、閣僚3人が相次ぎ辞任し岸田文雄内閣の支持率が下落の一途をたどる。一見すると首相に不利な環境ばかりだというのに、なぜ解散風は吹いたのだろうか。
解散風がどこから吹くかは、いつもわかりにくい。ある自民党幹部が葉梨氏の辞任後すぐに「葉梨氏を更迭したのなら、解散まで一直線だ」とほのめかしていたが、それだけで解散風の出所は判別できない。
そもそも、首相が現下の状況で解散に踏み切る蓋然性はとぼしい。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が11月12、13両日に実施した合同世論調査で、内閣支持率は38・6%と、昨年10月の政権発足以降最低だった。支持率の下落は6カ月連続で、旧統一教会問題が響いたことは否めない。