12月に入りこの1年を振り返ると、令和4年も各界で活躍した多くの人が世を去った。安倍晋三元首相が凶弾に斃(たお)れ、石原慎太郎さんやアントニオ猪木さん、海外からはオリビア・ニュートン・ジョンさんやアイリーン・キャラさんらの訃報も届いた。なかでも個人的に思い入れがあったのは、取材でお世話になった元プロ野球西鉄ライオンズのエースだった池永正明さんだ。9月25日にがんのため76歳で亡くなった。
プロ野球での通算成績は103勝65敗で、これは実働5年余りでの成績だ。昭和40年、山口・下関商から西鉄に入団1年目に20勝で新人王、42、43年には続けて23勝をあげた怪腕だったが、45年の「黒い霧事件」と呼ばれた八百長疑惑に絡んだとされ、球界を永久追放された。