【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は6日、ロシアによるウクライナ侵略に関する公開会合を開いた。ロシアの電力インフラ攻撃により冬を迎えたウクライナの人道危機が深刻化し、和平に向けた停戦と外交的解決を求める声が相次ぐ中、米露の代表は互いを「交渉に無関心だ」と非難した。
会合ではグリフィス国連事務次長が情勢報告し、厳冬期の気温は「マイナス20度を下回る」と説明。「数百万人もの民間人の生存能力が脅かされており、インフラ攻撃は国際人道法に反する」と指摘した。
ガボン代表は「既に弱っている住民の混乱と絶望を考えると、戦争に代わる選択肢を示さないのは不十分だ」と述べ、和平交渉の開始を求めた。
露代表は「外交的解決に関心を示す国は多く、ロシアは交渉に応じる意思がある」と述べつつ、「西側諸国はウクライナへの武器供与を拡大し、外交的解決に関心がない。ロシアは特別軍事作戦を続ける選択肢しかない」とも主張した。
ウクライナ代表は「ロシアは被害者のふりをしている」と反論し、「侵略されているのがウクライナの領土であることを忘れないでほしい」と呼びかけた。
米代表は「プーチン露大統領はインフラ攻撃を加速しており、交渉や有意義な外交に全く関心がない」と指摘。攻撃の狙いは「ウクライナ国民を凍えさせ、戦意を喪失させることだ」と批判した。