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ミサイル抑止・侵略断念狙いか ウクライナ、ロシア内陸部攻撃

6日、ドローン(無人機)攻撃を受けたとされるロシア西部クルスク州の空港から上がる炎と煙(同国の独立系メディア「オストロージュナ・ノーボスチ」提供、ロイター)
6日、ドローン(無人機)攻撃を受けたとされるロシア西部クルスク州の空港から上がる炎と煙(同国の独立系メディア「オストロージュナ・ノーボスチ」提供、ロイター)

ウクライナの前線から数百キロ離れたロシアの空軍基地で5日以降に相次いだ爆発は、ウクライナ軍による攻撃だとの見方が強まっている。同国軍の攻撃であれば、後ろ盾である米欧の意向などから控えてきた露内陸部への攻撃にウクライナが着手した形で、戦局は新たな段階を迎えたことになる。ウクライナには、露軍のミサイル攻撃の脅威を低下させる思惑に加え、国内が攻撃される恐怖をロシアに与えて侵略の断念を促す狙いがある可能性がある。

爆発は5日、露西部リャザニ州のジャギレボ空軍基地と南西部サラトフ州のエンゲリス空軍基地で発生。6日にも西部クルスク州の空港や西部ブリャンスク州の燃料貯蔵施設がドローン攻撃を受けたとされる。

ウクライナは露空軍基地への攻撃を公式に認めていない。ただ、米シンクタンク「戦争研究所」は5日、「ウクライナは露軍のミサイル攻撃を妨害しつつ、露後部基地への自身の攻撃能力を証明しようとした可能性が高い」と分析した。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は5日、「地球は丸い。ロシアは他国の空に何かを発射すれば、いずれ発射物が元の場所に戻るということを知るだろう」と自軍の関与を示唆。米紙ニューヨーク・タイムズも5日、消息筋の話として「ウクライナ軍の攻撃だ」と指摘した。同紙はまた、ウクライナ国営軍需企業の広報担当者が地元テレビで4日、開発中の射程1千キロの新型軍用ドローンについて「実戦テストしたいと考えている」と述べていたとも伝えた。

これに関連し、ブリンケン米国務長官は6日の記者会見で、米国はロシア領内への攻撃をウクライナに対し「促してもいないし、その能力も供与していない」と強調した。攻撃の主体など詳しい情報には言及しなかった。

ウクライナは明確には認めていないものの、これまでもロシアの実効支配下にある南部クリミア半島や国境地帯にあるロシアの軍事関連施設を攻撃してきたとされる。ただ、ロシアとの直接衝突を警戒する米欧諸国が供与兵器の射程を制限していることなどを背景に、露内陸部への長距離攻撃は行ってこなかった。

しかし、露軍のミサイル攻撃に苦しむウクライナは、ミサイルを発射する露爆撃機が発着する基地への攻撃は当然の自衛行為だとして、米欧の供与兵器ではなく自国開発のドローンで攻撃した可能性がある。

ウクライナにとって露内陸部への攻撃能力を示すことは、将来的な停戦交渉でロシアに譲歩を迫るための「カード」にもなりうる。

ただ、ロシアは空軍基地での爆発を受け、直ちにウクライナに大規模ミサイル攻撃を実施。ロシアは以前から自国施設への攻撃を「テロ」と一方的に断じ、報復名目の攻撃を繰り返してきた。今後、露内陸部への攻撃が増えた場合、ロシアが攻撃をさらにエスカレートさせる恐れもある。

6日も無人機攻撃? ウクライナ、露を長距離攻撃か

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