習氏がサウジ訪問 エネ・投資で関係強化、対米牽制へ

習近平国家主席=10月、中国・北京(共同)
習近平国家主席=10月、中国・北京(共同)

【カイロ=佐藤貴生、北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は7日から9日まで中東産油国サウジアラビアを公式訪問する。国営サウジ通信によると、ペルシャ湾岸6カ国で構成する湾岸協力会議(GCC)やアラブ諸国との首脳会議に参加する。親米路線をとるサウジだが、最近は人権問題などで米国との間にすきま風が吹く。中国は外交攻勢をかけてサウジとの友好関係をアピールし、米国を牽制(けんせい)する思惑とみられる。

習氏のサウジ訪問は2016年以来。サウジのサルマン国王が招請した。両者の首脳会談には9月に副首相から首相に昇格し、国王就任への地ならしが進むムハンマド・ビン・サルマン皇太子も同席する。

ロイター通信によると、サウジは中国にとって原油輸入量の18%を担う最大の調達先だ。サウジにとっても中国が最大の貿易相手国となっている。

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)やネット通販大手のアリババ集団などが、サウジ進出を計画。中国企業がサウジの巨大都市開発プロジェクト「NEOM」への参画も目指しており、両国は経済を軸に関係を強化している。

バイデン米政権は18年に起きた反体制サウジ人記者殺害事件で、ムハンマド皇太子が殺害を承認したとする米機関の報告書を公表。サウジ側は皇太子の関与を否定して反発し、関係が冷え込んだ。

バイデン大統領はロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰を受け、今年7月にサウジを訪問して原油増産を求めた。しかし、サウジなど石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどで作る「OPECプラス」は増産を手控え、米政権が対サウジ関係を「再評価」する方針を示すなど、ぎくしゃくした状態が続いている。

中国はアラブ諸国でも活発に事業を展開しており、習氏のアラブとの首脳会議を通じてエネルギーや安全保障、投資などに関する多数の合意文書に署名する見通し。サウジを含むアラブ諸国をめぐる米中の綱引きが激化しそうだ。

中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は2日の記者会見で、アラブ諸国との関係について「現在、世界は百年に一度の非常事態にあり、中国とアラブ諸国は同様の機会と課題に直面している」と強調した。「発展途上国の団結と協力」を進める考えも示し、米国など西側先進国との対抗軸にするという思惑がうかがわれる。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報も7日の社説で、中国とアラブ諸国について「協力の潜在力は極めて大きい」とし、「外部干渉、覇権主義」などに共同で反対していると指摘して、米国への対抗姿勢をにじませている。

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