北海道新幹線延伸、建設費6450億円上振れ 12年度末開業「大変厳しい」

国土交通省=東京都千代田区(鴨川一也撮影)
国土交通省=東京都千代田区(鴨川一也撮影)

国土交通省は7日、令和12年度末の延伸開業を目指す北海道新幹線新函館北斗-札幌間について、建設費が当初計画から約6450億円膨らみ、約2兆3150億円に上るとの試算結果が盛り込まれた有識者会議の報告書を公表した。資材費の高騰やトンネル工事に伴う掘削土の処理が難航していることなどが要因。予定通りの開業も「大変厳しい」との見方を示した。

新幹線の建設費は、列車を走らせるJR側が支払う貸付料のほか、残りを国と自治体で賄うと定められており、税金による負担増は避けられない見通しだ。

国交省は9月、物価上昇や掘削土から重金属が見つかったことなどを受け、有識者会議を設置して建設費への影響を精査していた。

報告書では費用増の要因として、掘削土から見つかった重金属が地下水に流入することを防ぐための対策▽掘削土の受け入れ地確保に当たって住民の理解が得られるまでの仮置き対応▽物価や消費税率の上昇への対応▽働き方改革で週休2日の実現に向けた人件費の増加-などを挙げた。

今後、資材価格などの上昇率0・1%につき、建設費が70億円ほど増加し得るとの試算も記載された。

また、報告書では工程にも言及。整備区間212キロの8割を占めるトンネルでは、陥没の発生や巨大な岩の塊が出てきたことによる掘削工事の一時中止などにより、工区によっては最長4年の遅れが出ているという。現在、工期短縮の工夫を進めており、同省担当者は「(現時点で)工期は見通せない」としつつ、「全体として厳しい」とした。

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