主張

中国「海外闇警察」 政府は実態の解明を急げ

林芳正外相が11月29日の記者会見で、中国警察が日本を含む各国に展開する海外拠点について、外交ルートを通じて中国政府に懸念を伝えたと明らかにした。

林氏は、「(日本の主権を侵害する活動をしているなら)断じて認められない旨の申し入れを行っている」と述べた。

ある国が、自国警察の出先機関を外国に設けて捜査や取り締まりを行うのは国際法に反し、設置先の国の主権侵害となる。

スペインの人権NGO(非政府組織)は報告書で、中国が、日本や米国、英国、ドイツ、スペイン、アイルランド、カナダなど30カ国で数十カ所の海外警察拠点を設け、中国人を取り締まったり、監視したりしていると指摘した。いわば闇の警察署である。

報告書によると、対外工作を任務とする中国共産党の中央統一戦線工作部が関わり、共産党政権を批判する海外の中国人を監視し、反体制運動をやめるよう脅し、中国の家族にも圧力をかけて、「帰国の説得」をしているという。

これらが事実なら、日本を含む各国の主権と在外中国人の人権を侵害するもので看過できない。

中国外務省の報道官は、国際法違反および他国の主権侵害を否定し、海外警察拠点とされる機関は海外在住中国人の運転免許証更新などをオンラインで行う「サービスステーション」だと語った。

だが、アイルランド政府は「アイルランドで順守すべき国内法、国際法に従っていない」として、首都ダブリンにあった中国警察拠点の閉鎖を命じた。オランダも違法として閉鎖処分を下した。

米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は上院で、中国の海外警察拠点に強い懸念を表明した。米英加なども閉鎖を視野に調査に乗り出している。

日本にも東京・神田に、中国警察のものといわれる拠点が存在している。日本政府は、外交ルートで懸念を伝えた以上、実態解明を急ぐべきだ。この拠点以外にも存在していないかも調べなくてはならない。主権侵害の問題が認められれば撤去の必要がある。

東京でも、習近平政権のゼロコロナ政策などに抗議する「白紙デモ」が中国人らによって行われた。中国少数民族の抗議活動も日本で続けられている。自由の国日本で、専制主義中国の警察が弾圧に動くことは許されない。

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