【キーウ=大内清】ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は今月、ロシアのプロパガンダ(政治宣伝)に加担しているなどとして、露正教会の影響下にあるウクライナ国内の教会組織の活動を禁じる方針を示した。プーチン露大統領が宗教権威と連携して侵攻を正当化していることへの対抗措置だ。2018年にウクライナ正教会が露正教会からの独立を実質的に認められるなど、ウクライナで進んできた信仰面での「脱ロシア」は新たな段階に入った。
ゼレンスキー氏は2日、「ロシアに隷属する者がウクライナを内側から弱体化させるのを許さない」とし、ロシアに協力する教会の活動を禁じる法案を議会に上程する考えを示した。
キリスト教三大教派の一つ「東方正教会」に属するウクライナ正教会はソ連崩壊後、露正教会の権威に従うモスクワ系と、それに反対するキーウ系などに分裂した。