記録的な物価高である。10月の消費者物価は1年前と比べて3・6%上昇で、昭和57(1982)年2月以来、40年8カ月ぶりの高い伸びになった。当時は第2次石油危機の末期で、筆者は入社1年目。泊まり手当などもあって給与は人並み以上だったと思うが、確かに生活は楽ではなかった
▶当時の物価上昇率(1年前比)を並べてみる。食料2・6%、光熱・水道3・5%、衣類・靴2・9%、交通・通信5・1%、教育6・1%、教養・娯楽1・9%。現代の上昇率はそれぞれ5・9%、14・6%、2・5%、2・0%、0・7%、0・9%だ
▶40年前は教育費や交通・通信費が高くなったが、食費や光熱・水道費は現代ほどは上がっていなかった。今の物価高が食べること、風呂に入ったり暖を取るなどの生活の根幹を直撃している悪性のものということがわかる。では、どうする。政府支出による生活支援も大事だが、抜本的な賃金上昇は不可欠だろう。