主張

露産原油に上限 制裁広げて打撃を与えよ

西側諸国がウクライナ侵略を続けるロシアに対し、追加制裁に乗り出した。欧州連合(EU)と先進7カ国(G7)が同国産原油の上限価格について、1バレル=60ドルとすることを決めた。

この価格を上回る原油は海上輸送の保険対象とはしないことで、ロシアの収入源を抑え込む効果を狙っている。

すでにG7各国では露産原油の禁輸を決めている。だが、制裁に参加していない中国やインドは逆に輸入を増やしており、ロシア経済に対する打撃は限定的だ。

今回の追加制裁は、そうした国々との取引価格にも影響を与えると見込まれている。今後は同国産の天然資源に対する禁輸の輪をさらに広げることで、制裁の実効性を高めていきたい。

追加制裁は海上輸送分を対象とする。G7とEU各国は保険会社に対し、上限価格を超える露産原油は船舶保険を引き受けないように義務付ける。

この船舶保険の大半は英国など欧州の保険会社が取り扱っており、制裁未参加の第三国も影響を受けるという。

ただ、現在の露産原油の流通価格は60ドル前後で推移しており、この水準での上限では制裁効果は限定的だ。

ポーランドなどはさらに低い価格の設定を求めたが、ロシアによる供給減を懸念する欧州諸国の賛同を得られなかった。

ロシアはウクライナのエネルギー関連施設への攻撃を強め、ウクライナは計画停電に追い込まれるなど、厳冬期を迎えた市民生活にも深刻な打撃を与えている。露産資源を購入する国は、ロシアの戦費調達に協力している事実を厳しく認識しなければならない。

対露制裁の実効性を高めるためには、国際的にロシアからの天然資源の輸入を禁じる必要がある。すでにEU諸国やG7は原油の禁輸を決めているが、これを国際社会に広げるだけでなく、液化天然ガス(LNG)を含め、露産資源の全面禁輸が不可欠である。

しかし、岸田文雄政権は、ロシア極東サハリンからのLNG輸入は当面継続する方針だ。

わが国の主力発電であるLNG火力にとって貴重な燃料ではあるが、ロシアとの資源取引は、西側諸国の対露制裁の足並みを乱すことにもつながる。ただちに見直すべきだ。

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