日本、ワールドカップ8強ならずも、今後への可能性を示す

クロアチア戦の前半 ボールをキープする日本・堂安律=アルジャヌーブ競技場(蔵賢斗撮影)
クロアチア戦の前半 ボールをキープする日本・堂安律=アルジャヌーブ競技場(蔵賢斗撮影)

「後半途中からもっとチャンス作れたと思うし、PKは誰も責められない」。堂安はこう唇を噛みしめた。16強の壁を突破して「新しい景色」を見るべく臨んだクロアチア戦。前半は今大会で最高の出来だった。前田大然のゴールで今大会初めて先制。後半も失点はしたものの、持ちこたえて120分を終えた。しかし、壁を乗り越えることはかなわなかった。

「ドーハの悲劇」を塗り替え、「ドーハの歓喜」と言わしめた今大会。1次リーグではドイツ、スペインというW杯優勝経験国を破った。それでも目標としたベスト8には届かず、悔しさが残った。

前回ロシア大会決勝トーナメント1回戦。2―0とベルギーを追い詰めながらも逆転で屈した。当時コーチとして戦った森保一監督は「あの悔しさは今も持っている」という。そして試合後、当時の西野監督は「倒れ込んで背中に感じた芝生の感触、見上げた空の色を忘れるな」と選手たちに伝えた。今大会への挑戦はこのときから始まった。

だからなのだろう。掲げた目標は当初から8強以上だった。その強い意思を示すようにW杯優勝経験国を破って1次リーグを首位で突破。迎えた決勝トーナメント初戦でPK戦の末に敗れはしたが、希望は灯る。「僕たちがいいプレーをしていいサッカーをすれば、強豪国にいい試合して勝てることが分かった」と守田。遠藤は「また明日からしっかり次のW杯に向けてというか、次の準備は今日から始まる」。森保監督は「(強豪国に)追いつくのではなく、追い越せを考えていけば、必ず達成できる」と訴えた。宿題は今回も残した。しかし、それ以上に今後への大きな可能性を実感させるに十分な戦いぶりだった。

森保監督「新時代を見せてくれた」 史上初の8強逃すも選手ねぎらう

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