遠い8強「これが実力」 新時代のサッカーで前へ

PK戦で敗れ肩を落とす日本代表イレブン=アルジャヌーブ競技場(村本聡撮影)
PK戦で敗れ肩を落とす日本代表イレブン=アルジャヌーブ競技場(村本聡撮影)

【アルワクラ=川峯千尋】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメント1回戦で5日(日本時間6日)、日本はクロアチアに延長を終え1-1からのPK戦で敗れ、初の8強入りを逃した。前半43分に前田大然(だいぜん)(セルティック)のゴールで先制したが、後半10分に追いつかれ、PK戦は南野拓実(モナコ)と三笘(みとま)薫(ブライトン)、吉田麻也(シャルケ)が外した。

7度の出場で4度目となる日本の8強への挑戦は、またもはね返された。目標の「新しい景色」を目にすることはできず、前田も「これが日本の実力」と受け止めるしかなかった。

スコア上は互角でも、クロアチアとの間には厚い壁があった。先制しても、前回準優勝チームは簡単には崩れてくれなかった。好機で決めきれぬ間に、試合巧者の土俵に引きずり込まれていた。

PK戦での16強敗退はパラグアイに敗れた2010年南アフリカ大会以来。日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、パラグアイ関係者から「俺たちは4回トライして、初めてベスト8に行けたんだ」と声を掛けられたという。それほど、8強入りは難しい。

足踏みにみえる16強も、過去3大会とは違う。多くの選手が欧州クラブで個を高め、代表に世界基準のサッカーを還元した。4大会連続出場の長友佑都(FC東京)が「歴代最強」と誇るチームは、1次リーグで優勝経験国のドイツとスペインを撃破。世界に大きなインパクトを与えた。

ただ、元日本代表主将の柱谷哲二氏は「(日本は)ボールを支配して勝つ水準には達していない」とみる。好采配で劣勢をひっくり返した森保一監督も、クロアチア戦後の会見で「高い強度、ハイスピードの中で試合をコントロールし、より優位に進めるという部分は課題」と話した。

届かなかった8強の夢。指揮官は世界との「差」を認めつつも「選手は新時代を見せてくれたと思う。これから先、日本のサッカーが最高の景色を願い続ければ、必ずこの壁は乗り越えられる」と訴える。一歩ずつでも、愚直に前へ-。この日の涙を、まだ見ぬ「新しい景色」の肥やしにする。

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