「感動をありがとう」「世界驚かせた」サムライブルーに称賛とねぎらい

クロアチアとのPK戦の末、日本が試合に敗れ、肩を落とすパブリックビューイング会場のサポーターら=6日未明、東京都港区(桐原正道撮影)
クロアチアとのPK戦の末、日本が試合に敗れ、肩を落とすパブリックビューイング会場のサポーターら=6日未明、東京都港区(桐原正道撮影)

「感動をありがとう」「次のワールドカップも頑張ってほしい」-。東京都内で行われたパブリックビューイング(PV)会場や渋谷のスポーツバーでは6日未明、多くのサポーターが詰めかけ、クロアチア戦を見守った。厳しい場面でも日本代表へ声援を送り続けたが、結果はPKの末に惜敗。ざっと8000キロ離れた砂漠の国で繰り広げられたサムライブルーの「死闘」。サポーターは予選リーグを突破し、前回大会の準優勝国を相手に互角に戦った選手たちをねぎらった。

東京タワー近くのPV会場には450人のサポーターらが集まった。キックオフ前から、「ニッポン、ニッポン」と日本コールが起こり、屋外の寒さを吹き飛ばすような熱気が会場を包んだ。前半、前田大然(25)が先制点を入れるとサポーターは一斉に立ち上がり、「大然!大然!」と拳を突き上げた。

だが後半10分、クロアチアが同点ゴール。サポーターはすぐに切り替え「ニッポン、ニッポン」と選手らを鼓舞した。相手の猛攻を再三にわたって防ぐ権田修一(33)には、ひと際大きな歓声が上がった。

両チームに疲れがみえた延長戦も一進一退の攻防。PK戦の末、無念の敗退となった選手たちに、会場からは選手たちに惜しみない拍手が送られた。

都内在住の渡辺紀之さん(35)は「泣きそう。あと一歩だった。選手たちはよく頑張ってくれた」。都内に住む中井美来さん(25)は「紙一重だった」と悔しさをにじませる。

「世界のレベルに近づいている。次のW杯で頑張ってほしい」

こう選手たちにエールを送った。

東京都渋谷区のスポーツバー「Fields(フィールズ)渋谷」でもサポーターら約120人が試合を見守った。

前田が先制ゴールを決めると、地響きのような歓声が上がり、サポーターらは肩を組んで喜びを分かち合った。スペイン戦で勝ち越しとなるゴールをアシストした三笘薫(25)にボールが渡るたびに、大きな歓声が響くなど、遠く離れた会場で戦う選手へエールを送り続けた。

PK戦では「絶対勝つぞ」の掛け声とともに「ニッポン、ニッポン」と日本コール。クロアチアの勝利が決まると、ため息が漏れたが、すぐさま「ナイスゲーム」と声が上がり、拍手で選手たちの健闘をたたえた。

新宿区の会社経営、岡本邦宏さん(46)は「前回大会準優勝のクロアチアと五分五分の戦いをしてくれた。日本代表は世界を驚かせたと思う」と話した。

店長の田中守さん(68)も「結果は残念だが、世界一のサッカーを見せてくれた」と選手たちをたたえた。長引くコロナ禍では、「借金もしたし、生命保険も解約した」と苦しい経営を迫られた。試合には敗れたが、店内を埋めつくしたサポーターとともに声援を送った田中さんは「結果以上に感慨深い」と話した。

試合終了後の6日午前3時ごろ、渋谷のスクランブル交差点では「信号が青になりました。走りださず、歩いて横断してください」と警視庁の「DJポリス」の声が響いていた。

スペイン戦が行われた2日早朝には、スペイン戦の勝利に沸き立つサポーターらがスクランブル交差点に多く集まったが、この日は日本の敗退により、大きな混乱は見られず、午前3時半ごろにはほとんど人通りはなくなった。

スペイン戦に引き続き、渋谷駅近くのスポーツバーで観戦していたという埼玉県上尾市の理学療法士の男性(22)は「(サポーターたちと)一体感を味わいたかったが残念。いいゲームをしていただけに悔しい」と話した。

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