北朝鮮は「敵」 韓国国防白書、6年ぶり記載復活へ

韓国の国旗(AP)
韓国の国旗(AP)

【ソウル=時吉達也】韓国政府が来年1月に発刊予定の2022年版国防白書の草案に「北朝鮮の政権と北朝鮮軍はわれわれの敵」との記載があることが6日、分かった。韓国メディアが複数の政府高官の話として一斉に報じた。北朝鮮を「敵」とみなす表記の復活は16年版以来となる。

国防白書は隔年で刊行。文在寅(ムン・ジェイン)前政権は南北融和ムードの高まりを背景に、18年版以降「敵」の表記を削除していた。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、就任前から「主敵は北朝鮮」と明言し、表記の変更に意欲を示していた。

韓国統一省関係者は6日、北朝鮮について「軍事的脅威であると同時に、対話と協力の対象」でもあると説明。「国防当局が『敵』という表現を使ったのは任務の特性によるもの」と述べ、引き続き南北対話を進めると強調した。

韓国は1994年の南北協議で、北朝鮮側が「戦争が起きればソウルは火の海になる」と発言したことを問題視し、その後、国防白書で北朝鮮を「主敵」と明記。政権交代のたびに、白書での北朝鮮の位置付けが保守、革新勢力間で論争となっていた。

一方、韓国軍合同参謀本部は6日、北朝鮮が同日、日本海に向け100発以上の砲撃を行ったと明らかにした。南北軍事合意で射撃訓練などが禁じられた軍事境界線付近の緩衝区域に着弾した。北朝鮮の軍総参謀部は報道官発表で、米韓が前日に続き砲撃訓練をしたと指摘。「警告目的の砲射撃を断行するよう命令した」と主張した。北朝鮮軍は5日にも、計約130発の海上砲撃を強行した。

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