宮台さん襲撃1週間、犯人なお逃走 大学の安全どう確保?

社会学者の宮台真司さんが襲撃された校舎裏の小道=5日夕、東京都八王子市の東京都立大(内田優作撮影)
社会学者の宮台真司さんが襲撃された校舎裏の小道=5日夕、東京都八王子市の東京都立大(内田優作撮影)

東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで同大教授の社会学者、宮台真司さん(63)が首などを切られて重傷を負った事件は6日で発生から1週間を迎えた。警視庁捜査1課は殺人未遂容疑で男の行方を追っているが、いまだに犯人は逮捕されていない。過去にも大学構内で教授らが凶刃に見舞われる事件が起きており、開かれた大学キャンパスの安全性も問われている。(王美慧、内田優作)

事件は11月29日午後4時15分ごろに発生。キャンパス敷地内を歩いていた宮台さんが背後から殴られた上に、後頭部や首などを刃物で切りつけられ、重傷を負った。執拗(しつよう)に襲われたとみられ、両腕には抵抗した際にできた防御創もあった。

宮台さんは3日、インターネット番組内に「犯人の目的が言論の萎縮であれば、こちら側としてはいささかも萎縮するわけにはまいりません」とのコメントを寄せた。

同キャンパスでは、事件翌日から通常通り授業が行われたが、通用門付近では腕章を付けた職員が警戒に当たり、構内も職員が複数人で巡回した。

現場付近には駅と住宅街をつなぐ道が通っており、法学部2年の男子学生(21)は「人の出入りがあっても目立たない」とする。一方で、宮台さんが襲われたのは、人通りの多い道から外れた校舎の裏だった。街灯は少なく、人の姿もほとんどない。

大学構内で教員が狙われた殺傷事件は過去にもたびたび発生。学生以外も構内に自由に出入りできることが多い大学ではキャンパスの開放性と安全性の両立を巡って議論になってきた。

群馬大の伊藤賢一教授(社会学)は「暴力事件が広がれば警備体制を見直す必要性が出てくる」とするが、「外部とのさまざまな交流が行われている中で、大学が社会との接点を失うと、長い目でみれば双方にとって損失。開かれている場所であるべきで、対策とのバランスをとるのは難しい」と指摘する。

都立大によると、現場となった南大沢キャンパス敷地内には防犯カメラが設置されているが、敷地面積は東京ドーム9個分の広さがある。出入り口は複数あり、構内への出入りの際に学生証や職員証の提示は求めていない。新型コロナウイルス禍以降は掲示物で関係者以外の入構を規制しているが、実際は誰でも出入りできる状況だった。都立大は安全対策の強化を急いでいる。

宮台真司教授襲撃は週1回の講義の帰宅途中 男は駅と反対方向に逃走


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