企業がワールドカップ深夜・早朝観戦に配慮 特別休暇や時差通勤で日本応援 

日本代表に拍手を送るパブリックビューイング会場のサポーターら=6日未明、東京都港区(桐原正道撮影)
日本代表に拍手を送るパブリックビューイング会場のサポーターら=6日未明、東京都港区(桐原正道撮影)

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会の試合は、時差の関係で日本時間では深夜や早朝に行われるケースが多い。日本代表がベスト8進出をかけた6日のクロアチア戦も激闘の末にPK戦にもつれこみ、試合終了は午前2時43分となった。中継を観戦する社員に配慮し、午前を休みにする「特別休暇」や時差出勤など、柔軟な働き方を導入する企業も増えている。

ウェブサービスの開発を行う「キー・ポイント」(兵庫県神戸市)は、6日の午前中を特別休暇とした。大西正晃代表(48)によると、仕事に支障が出るのを心配してクロアチア戦の中継観戦を控えるとの声を社員から聞き、6日の午前中を休みにすることを決めた。

大西代表は特別休暇を提案した理由として、深夜観戦の疲労によるパフォーマンス低下とコミュニケーションの向上を挙げ、「パフォーマンスが落ちるくらいなら午後から集中して働いてほしいし、みんなで1つのものを応援して、話の話題として盛り上がるなど、コミュニケーションのきっかけにもなれば」と話す。約半数の社員が特別休暇を申請し、「頑張って応援します」と喜びの声が上がったという。同社では、今後も同様の特別休暇制度を取り入れていきたい考えだ。

スポーツ用品大手のアシックス(神戸市)は、今回のワールドカップ観戦を含め、スポーツ全般でイベントの参加や観戦を目的としたスポーツ休暇を導入している。2017年から働き方改革の一環として、「ボランティア休暇」などとともに、年次有給休暇の取得促進を目指すために推奨しており、年に2日間、有給休暇として取得できるという。

インターネット広告会社「ファンコミュニケーションズ」(東京都渋谷区)は、2014年のワールドカップブラジル大会から、「スポーツ観戦推奨時間休暇」として、ワールドカップや五輪など日本の試合の観戦を理由とした時差出勤を認めている。広報の佐藤吉勝さん(55)によると、深夜や早朝の観戦による疲労の軽減のほか、会社としても「オールジャパン」として日本を応援する気持ちからこの制度を導入したという。

同社では、祝日がない月を「残念月」として第3金曜日を休暇としたり、土曜日が祝日の場合は「ハッピーサタデー」として金曜日や月曜日を休暇としたり、有給休暇の取得を推奨する取り組みも行っている。佐藤さんは「有給休暇は労働者の権利だが、実際はなかなか休まないので、背中を教えてあげるという意味合いもある」と話す。

こうした福利厚生を充実することで、社員の健康維持やモチベーションを高めるとともに、離職を防ぐ効果もあり、企業のイメージアップにもつながる。同様の取り組みは今後、さらに広がっていきそうだ。(本江希望)

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