スカート姿の女性に背後から近づき、至近距離で下半身に向けてカメラを構えた行為は違法-。東京都迷惑防止条例違反の罪に問われた被告の男(52)について、最高裁第1小法廷(安浪亮介裁判長)はこんな判断を示し、被告の上告を棄却する決定をした。5日付。無罪とした1審判決を破棄し、懲役8月(求刑懲役10月)を言い渡した2審東京高裁判決が確定する。
被告は令和2年5月、東京都町田市のアニメグッズ販売店内で衣服の上から女性の尻を小型カメラで動画撮影するなどしたとして起訴された。
1審東京地裁立川支部判決は、動画の内容から、「尻など特定の部位を狙っておらず、犯罪に当たらない」と判断。これに対し、高裁判決は、撮影した後、前かがみになった女性のスカート裾と同じ高さでカメラを構えるなどした被告の行為が、条例が禁じる「人を著しく羞恥させ、不安を覚えさせる行為」「公共の場所での卑わいな言動」に当たるとし、条例違反としていた。
同小法廷も、カメラを構えた行為について「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな動作といえる」と指摘した。