天安門リーダーが中国デモ称賛 「人々の勇気が希望」

記者の取材に答える天安門事件の学生リーダー、王丹氏=4日(桑村朋撮影)
記者の取材に答える天安門事件の学生リーダー、王丹氏=4日(桑村朋撮影)

中国内外で広がる「ゼロコロナ」政策への抗議活動について、民主化を求める若者が弾圧された1989年の天安門事件の参加者はどう見ているのか。5日まで来日していた当時の学生リーダー、王丹氏(53)は都内での講演で「普通の人々の勇気こそが中国の希望だ」と述べ、事件当時より厳しい言論統制下で声を上げた若者をたたえた。

4日、明治大学で講演した王氏は一連の抗議活動について、「天安門事件の再来との見方には同意しない」と強調。当時は中国共産党が鎮圧に動くとは思わず、無知から生まれた運動だったと述べた。その上で「今の若者は危険を承知で『習近平(国家主席)退陣』と声を上げた。われわれより勇敢だ」と称賛した。

今年10月の党大会後に発足した習指導部については「(習氏に)誰も『ノー』といえず後継者もいない。(失脚する)封建時代の皇帝のようだ」と指摘。政治・経済の悪化に絶望した若者が立ち上がったことは「中国の新しい希望だ。国が変わるきっかけになる」と語った。

王氏は89年との違いとして指導的組織がない点も挙げ、「交流サイト(SNS)で脱中心化が進み、多様な声が出た。『国内は調和がとれている』などという政府の虚像が打ち破られた」と述べた。

王氏は、党への恐怖がなくなれば民主化への道も開かれるとし、「党内にも不満の声は多い。国内外から多様な声を上げ続けよう」と呼びかけた。(桑村朋)

会員限定記事会員サービス詳細