相次ぐ強豪撃破で一躍注目 ワールドカップで世界は「モリヤス」をどう報じたか

クロアチア戦を控え、記者会見に臨んだ森保一監督、長友佑都(右)=ドーハ(撮影・蔵賢斗)
クロアチア戦を控え、記者会見に臨んだ森保一監督、長友佑都(右)=ドーハ(撮影・蔵賢斗)

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で決勝トーナメント進出を果たした日本は、5日午後6時(日本時間6日午前0時)から、準々決勝進出をかけてクロアチアと対戦する。1次リーグで欧州を代表する強豪のドイツ、スペインを相次いで撃破したことで、日本代表の指揮を執る森保一監督(54)に対する海外メディアの注目度も急速に高まっている。

「対戦相手に過度の敬意」と指摘も

11月23日のドイツ戦で2-1と勝利した際、2018年のロシア大会で同じくドイツを破った韓国では、メディアが日本の劇的な勝利を大きく取り上げる中で森保監督の采配にも言及。中央日報日本語版は「かつて更迭の危機まで迎えた森保監督が奇跡を起こした。果敢な交代カードで巨艦ドイツを倒した」と指摘し、後半に入って浅野、堂安ら攻撃的な選手を次々と投入した起用法を称賛した。

一方、森保監督が12月1日のスペイン戦の試合前に「(欧州サッカーは)世界のスタンダード」と発言したことについて、米国のスポーツ専門局「ESPN」は「謙虚さを持ち、相手に敬意を示すことは悪いことではない」と理解を示しつつも、「欧州サッカーへの絶え間ない称賛は、選手の劣等感につながっている」と指摘。11月27日のコスタリカ戦ではボール保持率で上回りながらも攻めきれず0-1で敗れたことについて、「対戦相手に過度の敬意を示したのか、それともモリヤスがリスクを回避したのか、日本は消極的だった」と報じた。

相手に対してリスペクトを欠かさない森保監督の姿勢が、海外メディアには「勝負に対して受け身」と映ったのかもしれない。

「ビジネスマンに見えたが、過小評価すべきでない」

森保監督の試合に臨む「服装」について言及したのが、英紙「デイリー・メール」だ。

【日本-スペイン】後半、攻め上がる日本・三笘薫。右は森保一監督=ハリファ国際競技場(撮影・蔵賢斗)
【日本-スペイン】後半、攻め上がる日本・三笘薫。右は森保一監督=ハリファ国際競技場(撮影・蔵賢斗)

日本が1次リーグ最終戦でスペインに2-1と勝利を収めた際、同紙は「純白のシャツとネクタイを着用したスーツに身を包んだモリヤスは、朝の通勤の準備をしているビジネスマンのように見えたが、彼を過小評価すべきではなかった」とジョーク交じりに指摘。後半から投入した堂安、三笘が勝利につながるプレーをしたことに「(采配が)目を見張るような利益をもたらし、このグループ(1次リーグE組)を完全にひっくり返した」と称賛した。

1次リーグを終え、海外メディアの森保監督に対する論調でおおむね共通しているのは「采配が決勝トーナメント進出をもたらした」という点。悲願のベスト8進出をかけて臨むクロアチア戦で、森保監督がどのような采配を振るか、再び世界が注目している。

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