NHK新会長・稲葉延雄氏は「将来の日銀総裁」 ねじれ国会の余波で立ち消え

NHK会長に就任する稲葉延雄氏
NHK会長に就任する稲葉延雄氏

NHKの次期会長に決まった稲葉延雄氏は日本銀行時代に大阪支店長や金融政策を担当する理事などを歴任した。「10年に1人出てくる日銀のエース」(金融業界関係者)と評され、量的金融緩和政策解除後の福井俊彦総裁を支えた。

行内では「将来の総裁候補」「福井総裁の次の次の総裁」と評されていたが、衆参両院で与野党の議席数が逆転する「ねじれ国会」の下での「ポスト福井」を巡る混乱が、稲葉氏の運命をも変えてしまった。

日銀の正副総裁人事は衆参両院で同意を得る必要がある。平成20年3月、当時の福田康夫政権は武藤敏郎副総裁(元財務省事務次官)を総裁候補として提示したが、参院で野党が反対し否決される。

最終的に副総裁となった白川方明氏が総裁に昇格。日銀出身者が総裁に就任する前に多くが経験する副総裁には、稲葉氏と同期入行でライバル関係にあった山口広秀氏が収まった。

稲葉氏は日銀を離れ、同年5月にリコーに移る。シンクタンクのリコー経済社会研究所所長として経済社会動向の発信に努めたほか、リコーの取締役としてコーポレートガバナンス(企業統治)改革などを推進した。財界活動にも熱心に取り組んだ。(米沢文)

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