米が新型爆撃機B21を公開 対中抑止力強化を狙いステルス性能強化

米空軍が初公開した新型戦略爆撃機「B21」(米空軍提供、ロイター)
米空軍が初公開した新型戦略爆撃機「B21」(米空軍提供、ロイター)

【ワシントン=坂本一之】米軍が対中抑止力の強化として開発を進める核兵器の搭載が可能な新型戦略爆撃機「B21」を初公開した。高いステルス性能を生かして中国軍のレーダーをかいくぐり同国に近づける性能を目指す。中国が核戦力を増強する中、2020年代半ばに見込まれるB21の実戦配備を通し、米国が保有する核の抑止力を引き上げて中国に対抗する。

米空軍は2日、西部カリフォルニア州でB21を公開した。公開式典に出席したオースティン国防長官は同機のステルス性能に関し「50年にわたる技術の進歩が注ぎ込まれている。最新鋭の防空システムでもB21の発見は苦労するだろう」と強調した。

中国軍は米軍を近海に近づけない「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略を取っていて、空母キラーと称される対艦弾道ミサイルの配備や開発を進めている。対艦弾道ミサイルの脅威が高まれば、米軍は有事に戦闘機などを搭載した空母の派遣が難しくなる。

長距離を飛行し精密攻撃能力に優れるB21によって中国軍のA2/AD防空網を突破して打撃を与えることができる戦力を誇示することで、米国や同盟国などに対する中国の攻撃を抑止する狙いだ。国防総省が10月に公表した「国家防衛戦略(NDS)」でも、A2/ADに対抗する攻撃力の確保を掲げている。

B21はデータ共有技術を活用し、他の軍用機などと連携できるという。米軍が今後、開発する次世代の兵器への対応も想定しており、無人運用を可能とするよう設計されている。

米メディアによると、米空軍はB1、B2戦略爆撃機を30年代前半までに退役させる予定。B21とエンジンを改良した冷戦時代のB52戦略爆撃機が主力を担うことになる。

B21は第6世代と呼ばれ、開発した米ノースロップ・グラマン社によると第6世代機の公開は世界で初めて。初飛行は23年の予定で、米空軍は少なくとも100機を配備する計画だ。調達価格は1機当たり7億ドル(約940億円)規模で、中西部サウスダコタ州のエルスワース空軍基地を主要基地とする見通し。

オースティン氏は3日の演説で「米国と北大西洋条約機構(NATO)、日本、韓国などの同盟国に対する攻撃を抑止する最終手段」は核兵器による抑止力だとして核戦力の近代化を進める考えを強調した。

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