異例の3期目入りを果たした中国共産党の習近平総書記が権力基盤を盤石にする中、中国の大学に〝変化〟が起きている。習指導部が掲げる「反腐敗」を学ぶ学科が今年、相次いで新設され、規律検査を担う「歩兵」の育成機関だとの指摘が浮上。ある大学では「情報員」を名乗る学生が教授の講義を監視していた疑惑が発覚し、密告が横行した文化大革命を想起させるとの声も上がる。
中国教育省は2月、内モンゴル大学法学部に中国初の「規律検査監察学科」が新設されると公表した。同大ホームページ(HP)によると、マルクス主義や党への忠誠心、習氏の法治思想を徹底実践するなどし、汚職撲滅を担う「新時代の規律検査人材」を育てる。
9月には第1期生の45人が入学。英誌エコノミスト(電子版)は11月3日の記事で、習氏の反腐敗闘争を支える「新世代の歩兵」と表現。公務員が1食に注文できる料理数なども学ぶとした。当面は続くであろう反腐敗の学位を得ることは就職にも有利だとする米専門家の意見を載せた。