従来のスーパーコンピューターをはるかに超える大規模高速計算が可能になるとされる量子コンピューター。世界中で熾烈(しれつ)な開発競争が繰り広げられている。日本では、初めての国産機の完成が年度内に予定されるほか、国内研究者が生み出した技術が本格的な量子コンピューターを実現する有力候補に躍り出るなど、日本勢の巻き返しが目立つ。量子コンピューター研究開発の現在地に迫った。
実験機を公開、研究促進
埼玉県和光市の理化学研究所量子コンピュータ研究センター(RQC)。ここで国産量子コンピューター初号機の研究開発が進んでいる。来年3月末の完成を目指し、開発を率いるのがRQCセンター長を務める中村泰信氏だ。