バロンドールの呪いは解けるか、挑むのは前年受賞者のメッシ

入場するアルゼンチンのリオネル・メッシ=アハマド・ビン・アリ競技場(撮影・蔵賢斗)
入場するアルゼンチンのリオネル・メッシ=アハマド・ビン・アリ競技場(撮影・蔵賢斗)

サッカーのワールドカップ(W杯)でよく知られているジンクスが、W杯前年の年間世界最優秀選手賞「バロンドール」受賞者が優勝トロフィーを掲げられない「バロンドールの呪い」だ。カタール大会に前年受賞者として臨んでいるのはアルゼンチンのメッシで、直近の受賞者だったフランスのベンゼマは負傷欠場となった。メッシは最後の出場と公言するW杯で、ライバルのロナルド(ポルトガル)も縛ってきた呪いを解くことはできるか。

バロンドールはサッカー専門誌「フランス・フットボール」が選定し、2021年はメッシ、10月に発表された22年はベンゼマが受賞した。呪いの対象は通例の夏開催であればメッシ。異例の冬開催となるカタール大会にはベンゼマが直近受賞者として臨むはずだったが、開幕前に呪いに屈した形だ。

強固な呪いだ。近年では10年南アフリカ大会でメッシ、14年ブラジル、18年ロシア両大会でロナルドが挑んだものの、準決勝へ進むこともできなかった。屈したレジェンドはクライフ(オランダ)、プラティニ(フランス)、バッジョ(イタリア)、ロナウド(ブラジル)ら枚挙にいとまがない。仮にフランスが60年ぶりの連覇を果たすようだと、ベンゼマ離脱がもたらしようで空恐ろしくもある。

しかし、ジンクスは破られるためにあるともいえる。野球の米大リーグではレッドソックスが04年のワールドシリーズ制覇で1919年シーズン後のベーブ・ルース放出後に優勝できなかった「バンビーノの呪い」を、カブスが2016年の優勝で1945年にヤギの同伴入場を拒否してからワールドシリーズに進出すらできなかった「ヤギの呪い」に終止符を打ってもいる。

団体競技のサッカーは個人の傑出した能力だけで勝てるわけではない。ただ、カタール大会でアルゼンチンは初戦黒星から復調傾向にあって、決勝トーナメント1回戦も突破した。バロンドールを過去最多となる7度受賞しているメッシには、新たな歴史を作るチャンスが十分にありそうだ。(奥山次郎)

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