防衛費財源 政府、増税を当面先送りで調整

国際観艦式に臨む海自艦と海外から参加した艦艇=11月6日午前、神奈川県沖の相模湾(海上自衛隊機から・春名中撮影)
国際観艦式に臨む海自艦と海外から参加した艦艇=11月6日午前、神奈川県沖の相模湾(海上自衛隊機から・春名中撮影)

政府は、防衛費を増額するための安定財源の確保を令和9年度に向けて検討し、増税を当面先送りする方向で調整に入った。政府・与党関係者が4日、明らかにした。円安や物価高の中、増税すれば、企業や家計にさらに負担をかけるため、自民党内に反対論が強く、歳出改革による財源捻出を先行させる。年末に一定の方向性を示すが、具体的な増税決定は見送るとみられる。

防衛費は4年度当初予算で国内総生産(GDP)比約1%の約5兆4千億円だった。5年度から段階的に増やし、防衛費と補完する他省庁の関連予算を合わせて9年度にGDP比2%に引き上げる。

木原誠二官房副長官は4日のフジテレビ番組で、9年度まで5年間の防衛費について「財源のあるなしにかかわらず実行すべきことに取り組む」と強調。「9年度以降、きちんとした財源をどう確保していくかが今問われている」と述べた。

木原氏は「まずやらなければいけないのは歳出改革」と前置きした上で「その先、(財源が)足りなければ、国民に広く負担をお願いする。与党の議論を踏まえて考えていく」と語った。増税について「年内にある程度の方向性は示したい」と説明した。

与野党の政策責任者らは4日のNHK番組で、財源について議論した。立憲民主党の長妻昭政調会長は「格差を是正する税制改革の中で財源を捻出することが重要だ。与野党で中長期的議論をすべきだ」と訴えた。自民党の新藤義孝政調会長代行は「さまざまな工夫をする」と述べた。

日本維新の会の音喜多駿政調会長は、外国為替資金特別会計の剰余金や行財政改革での歳出削減などによる財源確保を主張し、「増税には明確に反対する」と強調した。

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