今年1月にスタートした「囲碁のイロハ」は、いよいよ次回で終了します。これまで、囲碁の打ち方を学んできましたが、最後は実際の対局から進め方を学びます。今年の4月7日に行われた第60期大和ハウス杯十段戦五番勝負第3局、許家元十段と余正麒(よ・せいき)八段の対局の序盤を、2回にわたって鑑賞します。お手元に碁盤がある方は、1から順に、実際に並べてみることをおすすめします。これがいわゆる棋譜並べです。
対局は黒番から始めます。1図をごらんください。黒1です。まずは、陣地にするのに効率が良い隅から打ちます。端から3×4のこの位置は「小目」と呼ばれます。余談ですが、初手は黒から見て右上から打つのがマナーとされています。一説には、白が右手で打ちやすい右下(黒から見ると左上)を空けておくためとされています。