<独自>「統合ミサイル防衛」を安保3文書に明記へ 反撃能力保有で日米歩調

巡航ミサイル「トマホーク」を発射する米軍のミサイル駆逐艦(米海軍提供・ロイター=共同)
巡航ミサイル「トマホーク」を発射する米軍のミサイル駆逐艦(米海軍提供・ロイター=共同)

政府は今月中旬に改定する国家安全保障戦略など「安保3文書」で、空からの脅威に一元的に対応する「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の構築を掲げる方向で検討に入った。敵のミサイル拠点などを攻撃する「反撃能力(敵基地攻撃能力)」を保有するのに伴い、ミサイル迎撃を柱とする現在の「総合ミサイル防空」を改め、米軍と歩調を合わせる狙いがある。複数の関係者が4日、明らかにした。

IAMDは米軍が推進している。弾道ミサイルや巡航ミサイル、有人・無人航空機など空からの脅威に対し、指揮統制システムを通じて最適な攻撃・迎撃手段を指示する。

日本は類似の構想として、平成30年に改定した現在の防衛政策の指針「防衛計画の大綱」で総合ミサイル防空を打ち出した。イージス艦や地対空誘導弾パトリオット(PAC3)など陸海空3自衛隊の防空用装備を自動警戒管制システム「JADGE」につなげ、最も効果的な迎撃手段を指示する。

IAMDとの大きな違いは、敵領域内での打撃力の有無だ。IAMDが敵のミサイル攻撃などを未然に防ぐため敵基地などへの攻撃作戦を含むのに対し、日本の総合ミサイル防空は迎撃に特化している。30年の防衛大綱改定の際にはIAMDとすることも政府・与党で検討したが、当時は反撃能力を保有する政治決定がされていなかったため見送った経緯がある。

自公両党は今月2日、安保3文書改定に向けた実務者協議で反撃能力の保有で合意した。その席上で、政府側はIAMDを導入する考えを示した。

ただ、反撃能力を保有しても日本だけでは完結しない。政府は具体的手段として12式地対艦誘導弾の射程延伸や米国製の巡航ミサイル「トマホーク」をはじめとする既製外国製ミサイルの取得などを検討しているが、目標情報の把握や打撃効果の判定など一連の過程では米国のシステムを頼る可能性が高い。事実上の日米共同作戦となるため、米軍との連携のあり方が現実的な課題となる。

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