ウクライナ東部ドネツク州の要衝を巡る同国軍とロシア軍の攻防が激しさを増している。南部ヘルソン州で一部撤退を迫られた露軍は、軍事作戦の主要目標である東部2州の掌握を目指して戦力を集中的に投入。一方、ウクライナ側はインフラへのミサイル攻撃で市民生活に影響が出る中でも国民の士気は高く、徹底抗戦の構えを堅持し、今後のさらなる反攻につなげる戦略ともみられている。
現在、最大の激戦地となっているのは、ドネツク州北部の都市バフムトだ。英国防省は3日、露軍が周辺約15キロの前線に大規模な戦力を投入し、「過去数日間に少し前進した可能性が非常に高い」と分析した。
バフムト周辺は幹線道路が交差するドネツク州の交通の要衝。その北西に位置する同州の中心都市クラマトルスク、スラビャンスクに進軍するにはバフムトの掌握が不可欠となる。過去数カ月間、露軍と進軍の阻止を図るウクライナ軍が攻防を繰り広げてきた。