阿部詩V、世界選手権へ 森保Jから刺激「不可能はない」

女子52キロ級決勝 阿部詩対志々目愛 攻める阿部詩=東京体育館(中井誠撮影)
女子52キロ級決勝 阿部詩対志々目愛 攻める阿部詩=東京体育館(中井誠撮影)

柔道のグランドスラム(GS)東京大会最終日は4日、東京体育館で男女計8階級が行われ、女子52キロ級で東京五輪金メダルの阿部詩(日体大)が決勝で志々目愛(了徳寺大職)を下して優勝した。

元世界女王の志々目との決勝は豪快な技が影を潜め、相手の内股に何度も体が宙に浮いた。延長に突入する激闘にも「絶対に負けない」と気合を注入。試合時間が7分を超え、足技で仕掛ける。最後は防戦に回った相手が3つ目の指導を受けて決着がついた。

「なかなかコンディションが整わなかったけど、メンタルだけは高まるように集中した」。実は2週間前に右膝を負傷し、体調も万全ではなかった。欠場も頭をよぎる中、「ここで立ち向かわないでどうする」と言い聞かせて畳に立った。

3年前のGS大会は、優勝すれば五輪代表に決まる決勝で涙の敗戦を喫した。この日は兄で同じ五輪金メダリストである一二三(パーク24)が観戦する中、悪コンディションでも勝ち切った結果に「地力が上がったかな」とうなずいた。

大会前、感銘を受けた存在がある。サッカーW杯カタール大会で躍動する日本代表だ。「(決勝トーナメント進出を決めた)スペイン戦を見て、不可能なことはないんだとすごく刺激をもらいながら準備できている」と声を弾ませていた。

昨秋に両肩を手術し、4月に実戦復帰して10月の世界選手権は復活優勝を飾った。「自分の人生の中でも濃い1年だった」。今大会の優勝で来年5月の世界選手権代表入りが決まった。パリ五輪まで2年を切る中、国内外を見渡しても「一強時代」を築きつつある強さをさらに印象づけ、2022年を締めくくった。(田中充)

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