8強入りへ冨安「簡単ではない」 状態上げるDFの要

ウオーミングアップする冨安健洋ら=ドーハ(撮影・蔵賢斗)
ウオーミングアップする冨安健洋ら=ドーハ(撮影・蔵賢斗)

【ドーハ=川峯千尋】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本は5日午後6時(日本時間6日午前0時)から、クロアチアとの決勝トーナメント1回戦に臨む。優勝経験国2チームを破っての1次リーグ突破にも、DF冨安(アーセナル)の表情は緩まない。初の8強へあと1勝。「簡単ではない。だからこそ、今大会まで達成できていない目標。できる限りのことを準備して臨みたい」と力を込める。

世界最高峰とされるイングランド・プレミアリーグの強豪アーセナルで研鑽(けんさん)を積む24歳を、同級生の堂安(フライブルク)は「日本人離れした守備範囲がある」と一目置く。代表ではセンターバック(CB)が主戦ながら、両サイドバック(SB)もこなす万能型のディフェンダーだ。

大会前に右太もも裏を痛めた影響で、1次リーグ3試合で先発出場はなし。ただ、限られた時間でも存在感は抜群だった。11月23日のドイツ戦では冨安投入とともに布陣を3バックに代え、最終ラインに安定感をもたらすと、1日のスペイン戦は後半23分から右ウイングバックに入り、新鋭ファティらを封じた。

状態は上がっている。スペイン戦で20分ほどプレーしたことで、「コンディション調整できた。次はもっといい状態で臨めるかな」と、初先発にも意欲を見せる。

次戦は1次リーグ3試合でフル出場したCB板倉(ボルシアMG)が累積警告で出場できない。ドイツ戦で負傷した右SB酒井(浦和)の状態も読めない。それだけに、冨安が長時間起用できれば心強い。「自分たちを信じて、思い切ってやるだけ」。強豪国を破った自信を携え、次のステージへ進む。

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