今年のノーベル平和賞の受賞が決まったウクライナの人権団体「市民自由センター」(CCL)のオレクサンドラ・マトビチュク代表(39)が首都キーウ(キエフ)市内で産経新聞のインタビューに応じた。同氏はロシア軍が、ウクライナ侵略で市民らの殺害や電力施設の攻撃を続ける背景には、プーチン露大統領らが民間人への残虐行為を「戦争遂行の手段」として活用し、奨励している実態があると指摘し、ロシアに変化をもたらすには「ウクライナの勝利」が不可欠だと訴えた。
マトビチュク氏は、CCLが露軍の戦争犯罪を調査する過程で「ウクライナの民間人に対するレイプや殺人、誘拐、拷問などの行為を記録した」と述べた。
また、露軍が民間人や電力施設などの生活インフラに対する攻撃を繰り返すのは、ロシアが残虐行為を「戦争の手段として利用しているからだ」と語った。プーチン氏が、民間人の虐殺が発覚したキーウ近郊にいた露軍部隊を表彰した事実にも触れ、「最高指導者が、民間人に何を行ってもよいのだと実質的に表明したものだ」と強調した。