自衛隊での性被害を実名で告発した元陸上自衛官、五ノ井里奈さん(23)が3日、金沢市で講演した。被害を訴えた経緯を振り返り「自衛隊への恨みではなく、変わってほしいと行動してきた。告発しなくてもいい世の中になってほしい」と述べた。
五ノ井さんは今年、自衛隊をやめインターネット上で活動を開始。8月末にはオンラインで集めた署名を防衛省に提出した。講演会には市民ら約70人が参加。五ノ井さんは「夢と希望を持って入る後輩に同じ目に遭ってほしくなかった。自分は本当に普通の人間だけど変えたい思いは誰よりある。『何とかなる』精神で一歩踏み出して」と呼びかけた。
五ノ井さんは福島県の郡山駐屯地に所属していた。防衛省は事実関係を認めて謝罪。ハラスメントに関する「特別防衛監察」を実施し、加害者への懲戒処分の検討も進めている。