北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射成功により「この惑星最強のICBM保有国」(労働新聞)になったと国威発揚と対米強硬路線を強調している。一方、ミサイル発射の現場や記念行事に9歳とされる娘を同伴した写真を相次いで公開したり、ミサイル発射台の車両に人物に与える「共和国英雄」称号を付与したりするなど独裁国家ならではの奇妙な行動も始まった。「火星17」は「最終試射」とされるが、今年34回に及ぶ北朝鮮の弾道ミサイル連射はこれで止まるのか。
ミサイル発射は3段階、その裏に…
1月5日から始まった北朝鮮の弾道ミサイル発射は、今年前半と後半で様相が変わった。1月は国防科学院による新型ミサイルの試射、2~4月は「偵察衛星」などの開発目的の試射だった。5~6月の6回の発射は北朝鮮が発射を公表しなかったが理由は不明だ。その後、9月から様子が一変した。第2段階として9月25日からの一連の発射は「朝鮮人民軍戦術核運用部隊の軍事訓練」となり、さらに進んで11月2~5日の発射は「朝鮮人民軍の軍事作戦」と発表した。