「ここまできたか」
10月、米ロサンゼルス。音楽関係者の見本市でレコード会社、ポニーキャニオンの執行役員、今井一成(かずなり)さん(59)は目を見張った。展示されていたのは、インターネットや人工知能(AI)を駆使してアーティストを発掘したり、動画用音楽を自動生成したりとヒット曲作りに役立つデジタルサービスの数々だ。
サザンオールスターズの宣伝を担当し、ここ10年ほどは率先してデジタル戦略に取り組んできた今井さん。目の当たりにしたのは、ヒット曲がレコード会社の手から離れた場所で生まれようとする、ネット時代の「最先端」だった。