ワールドカップ初の16強にアジア勢3チーム 切磋琢磨で相乗効果を生む起爆剤に

スペインに勝利した日本代表の(左から)板倉滉、堂安律、冨安健洋=ハリファ国際競技場(蔵賢斗撮影)
スペインに勝利した日本代表の(左から)板倉滉、堂安律、冨安健洋=ハリファ国際競技場(蔵賢斗撮影)

【ドーハ=奥山次郎】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会でアジア勢が奮闘している。2日までに全日程を終えた1次リーグで日本がドイツとスペイン、サウジアラビアがアルゼンチン、韓国がポルトガルを下す番狂わせを次々に起こして世界は仰天。W杯史上初めてアジアから3チームが16強に名を連ねた。内容的には世界との差をみせつけられているものの、アジア勢が残したインパクトとしてはW杯史上最大級といっていい。

1次リーグ最大の話題の一つは、間違いなくアジア勢によるジャイアントキリングだった。いずれの試合も優勝候補に先制を許しながら粘り強く守り、チャンスを確実にものにして逆転勝利。スペイン紙「マルカ」が「アジアが実力を見せつけた」との見出しで報じるなど世界の注目を集めた。

サウジアラビアの快挙達成の翌日にドイツ戦に臨んだ日本の酒井は、「サウジアラビアが価値のある試合をみせてくれた」とコメント。刺激し合う流れは前回ロシア大会における韓国のドイツ撃破にもさかのぼれそうで、アジアのライバルが生んだ相乗効果が番狂わせの遠因となった。

一方、開催国枠でW杯初出場のカタールは3連敗で1次リーグ敗退となった。開催国が初戦を落とすのも、勝ち点0で終わるのも史上初で、1次リーグで姿を消すのは史上2例目。イランがイングランドに2-6、オーストラリアがフランスに1-4で完敗を喫するなど、列強に力の差をみせつけられてもいる。

出場したアジア勢6チームが1次リーグで残した成績は7勝1分け10敗で勝ち点22、5チームが出場したロシア大会は4勝3分け8敗で勝ち点15。1試合あたりに獲得した勝ち点は1から1・22へ向上した。アジアサッカー連盟の技術委員長を務める日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、「1次リーグで勝ち点21を目標に掲げていた」とアジアとしてのノルマ達成にご満悦だった。

データとして健闘したのはもちろんだが、相次ぐ列強撃破が与えた衝撃の大きさは計り知れず、森保監督は「世界基準へ近づいている」と自信を深める。W杯で世界をリードする欧州、南米勢の壁は高いものの、カタール大会での奮闘はアジア躍進の起爆剤となるかもしれない。

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