「残忍な侵略の資金源に切り込む」 ロシア産原油価格に上限設定 EU、G7

ブリュッセルの欧州連合(EU)本部(ロイター=共同)
ブリュッセルの欧州連合(EU)本部(ロイター=共同)

【パリ=三井美奈、ワシントン=坂本一之】欧州連合(EU)は2日、対ロシア追加制裁として、露産原油の取引価格に1バレル=60ドル(約8千円)の上限を設定することで合意した。エストニアのカラス首相が声明で発表した。ウクライナ侵略を続けるロシアの戦費調達に歯止めをかける狙いがあり、EUの合意を受けて米財務省も2日、先進7カ国(G7)とオーストラリアも同価格での上限設定を適用すると発表した。EU、G7ともに5日から導入する。

露産原油価格への上限設定は、G7で導入方針を確認していた。EUは5日、海上輸送による露産原油の禁輸を発動する。

EUやG7では当初、1バレル=65ドルとする案が浮上し、ポーランドやエストニアなどバルト諸国が、価格引き下げを要求していた。カラス首相の声明によると、価格上限を市場価格より少なくとも5%低く保つとの条件を含めることで、合意が成立した。上限価格を60ドルとすることで、「ロシアの残忍な戦争財源を100億ドル減らすことができる」としている。価格については来年1月、再検討される見込み。

上限価格はEUやG7の域外国の露産原油取引を拘束しないが、価格が上限を超える場合、域内の金融機関が海上輸送に関する保険や融資などを認めない仕組みのため、制裁に参加しない国にも広く波及効果が見込まれている。

イエレン米財務長官は2日、声明を発表し「残忍な侵略の資金源となる収入をより制限することに役立つ」と指摘。「ロシア経済はすでに縮小しており、上限設定はプーチン(露大統領)の最も重要な収入源に直ちに切り込むことになる」と強調した。

米財務省は、日本企業が参画する露極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」から日本へ輸送される原油は来年9月末まで制裁の対象外としている。

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