「消費者に高コスト」とロシアが批判 露産原油に上限60ドル設定 5日からG7・EU

ロシア・ノボロシースクの石油関連施設に停泊するタンカー=10月(AP)
ロシア・ノボロシースクの石油関連施設に停泊するタンカー=10月(AP)

【パリ=三井美奈、ワシントン=坂本一之】先進7カ国(G7)とオーストラリアは2日の声明で、露産原油の取引価格に1バレル=60ドル(約8千円)の上限を設定することで合意したと発表した。ウクライナ侵略を続けるロシアに追加制裁を科し、同国の戦費調達を妨げる狙いがある。G7と欧州連合(EU)が連携し、5日から導入する。

今回の制裁は海上輸送が対象で、パイプライン輸送は含まれない。上限価格はEUやG7の域外国の露産原油取引を拘束しないが、価格が上限を超える場合、域内の保険会社に対して海上輸送に関する保険や融資などを提供しないよう義務付けたため、制裁に参加しない国にも波及効果が見込まれる。背景にはG7を拠点とする企業が世界の海上輸送保険の9割を手がけ、世界の船舶保険を支配しているという実情がある。

上限価格は2日、EU加盟国でまず合意し、G7とオーストラリアが同意した。当初は上限を1バレル=65ドルとする案が浮上したが、ポーランドやエストニアなどバルト諸国がさらに引き下げを要求。上限を市場価格より少なくとも5%低く保つとの条件を含めることでEU内の合意が成立した。EU加盟国エストニアのカラス首相は、上限を60ドルとすることで「ロシアの残忍な戦争財源を100億ドル減らせる」との試算を示した。価格については2カ月ごとに再検討される見込み。

米財務省は、日本が参画する露極東での石油・天然ガス開発事業「サハリン2」から日本へ輸送される原油は来年9月末まで制裁の対象外としている。

EUは5日、海上輸送による露産原油の輸入を禁じ、英国も同調する。米国は既に露産原油を禁輸している。

タス通信によると、上限価格の設定に関し、ロシアのペスコフ大統領報道官は3日、記者団に「上限は受け入れない」と述べて反発した。

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