平成31年に熊本市の中1男子生徒が自殺し、市の第三者委員会が小学6年時の担任教諭による不適切指導で生徒が抑鬱状態を発症した可能性を指摘した問題を巡り、市教育委員会は2日、他の児童らを含む42件の不適切行為があったとして、市立力合西小の吉野浩一教諭(60)を懲戒免職処分にした。
市教委はこれまで、別の小学校に勤務していた26~30年度、吉野教諭が児童らに体罰を加えたり、暴言を吐いたりするなどした計42件の不適切行為を事実認定しており、処分の理由とした。亡くなった生徒についても「複数の児童が教諭の指導を怖がり、登校を渋ったり、学校を休みがちになったりした」に含まれると説明した。
教諭は市教委の聞き取りに反省の弁を述べる一方、「記憶がない」などと否定する発言もあったという。
遠藤洋路教育長は記者会見で「多くの子供、保護者、教職員に深い傷を残し、消えることのない痛みを残した」と陳謝した。