バイデン米大統領は、中間選挙(11月8日開票)で自身の民主党が事前予想を覆す善戦を果たしたことで、自信を取り戻している。中間選挙を巡る予測や政権への評価は2022年に入ってから、ジェットコースターのように浮き沈みを見せ、ホワイトハウスも焦りを露呈させた。選挙を終えて精神的負担から解放されたバイデン氏はその後、外遊や国内行事を上機嫌でこなしたものの、来年からは厳しい政権運営が待っている。
バイデン氏は開票日の翌日、ホワイトハウスで記者会見し、共和党のシンボルカラーの赤にちなんだ「巨大なレッドウエーブ(赤い波)は起きなかった」と語り、共和党の失速とともに民主党の善戦を強調した。
上下両院の多数派をどちらの党が握るか大勢が判明していない段階で、共和党の大勝を否定する言動は、バイデン氏が赤い波を警戒していたことの裏返しといえる。