大阪知事3日から訪英 国際金融都市発信へトップセールス

大阪府・市が実現を目指す「国際金融都市構想」を英国でアピールするため、吉村洋文知事が3日、日本を出発する。4~8日にロンドンの金融街シティーなどを訪問し、投資家や金融関係者に大阪の魅力を伝える。府・市は今年、海外の金融系企業誘致の数値目標を掲げた同構想の戦略を策定したが、進出を表明している海外企業はまだなく、知事による初のトップセールスの成果が期待される。

「1社でも2社でも海外の投資家や運用会社が大阪に魅力を感じ、事務所を持ってもらえるよう働きかけたい」。吉村氏は11月30日の定例会見で強調した。

同構想は金融分野で先進的な取り組みを進めることで世界中から投資を呼び込み、ビジネスチャンスを生み出して大阪の飛躍につなげる狙いがある。

府・市や経済団体でつくる「国際金融都市OSAKA推進委員会」は3月、構想の戦略を策定。令和7年度までに海外から金融関連企業30社を誘致することや、6年度までにユニコーン(企業価値10億ドル以上の非上場企業)3社と、創業間もないスタートアップ300社を創出する目標を掲げた。金融都市完成は32年度とした。

府中小企業支援室によると、3月末時点でスタートアップは163社。担当者は「スタートアップの設立数は順調に伸びている。スタートアップからユニコーンに育つ期待があり、裾野を広げるためにもスタートアップを増やすことが重要」と話す。

一方で大阪進出を表明している海外企業はまだなく、海外向けの発信を本格化させる必要がある。今回の吉村氏の訪英では、ロンドンにある外務省の対外発信拠点「ジャパン・ハウス」の現地スタッフと面会し、今後の金融都市や7年に開催する大阪・関西万博のプロモーションへの協力を要請する。シティーでは金融関係者らと面談し、大阪でビジネスを行う魅力や求める投資家像を伝える。大阪にはバイオや新エネルギー産業が集積しており、万博がビジネスチャンスになることをPRするという。金融規制をテーマにしたフォーラムへの登壇や、金融とITを融合したフィンテックの大学研究施設視察も予定する。

吉村氏の外遊に関西経済界も期待を寄せる。関西経済同友会の角元(かくもと)敬治代表幹事は11月30日の定例会見で、「知事がいよいよ海外に出て、強いリーダーシップで引っ張っていくので頼もしい」と述べた。

一方で、「いっぺんに金融都市ができあがるのは難しく、中長期的な観点から着実に進めることが重要だ。府・市や金融機関だけでなく地域のさまざまな関係者の主体的な参加を促し、金融都市を目指している東京や福岡との役割分担や連携も検討していくべきではないか」と指摘した。(井上浩平)

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