金利1%上昇で国債評価損28兆円も 日銀、試算公表

日本銀行の雨宮正佳副総裁(納冨康撮影)
日本銀行の雨宮正佳副総裁(納冨康撮影)

日本銀行の雨宮正佳副総裁は2日の参院予算委員会で、国債の金利が1%上昇すると、日銀の保有国債に28兆6千億円の評価損が発生するとの試算を公表した。時価評価が簿価を下回るためで、5%上昇では評価損は108兆1千億円に上る。「短期的に評価損が膨らんでも金融政策の運営能力は損なわれない」とも述べた。日本維新の会の浅田均氏への答弁。

日銀は国債の満期保有を前提にしており、雨宮氏は「決算上の期間損益に影響はない」と説明した。日銀は金利を極めて低く抑える大規模金融緩和を維持しているが、金融政策の正常化局面では金利が上がり、評価損の拡大が想定される。

日銀は令和4年9月中間決算で、保有国債に8749億円の評価損が発生した。平成18年3月末以来16年半ぶりで、金額は過去最大だった。米長期金利につられ、日本の長期金利に上昇圧力がかかり国債価格が下落した。

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